コロナ禍をハルモニたちが、綴り・描いた 作品の展示会が始まりました

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新しく完成した 「みんなの家」での活動が少しずつ始まっています

春に完成した会館「みんなの家」の
1階に寄せ書きや絵や作文の一部を展示した。


◆ コロナ禍、「ステイホーム」が叫ばれる中、移動に困難を抱えたハルモニたちは、「わたしゃ いつでもステイホームだよ」と笑わせた。
交流の機会が減って、厳しさを抱えたハルモニたちの切なる願いに押され、いったんお休みにした「ウリマダン」を細心の注意を払いつつ再開し、みんなの協力で、「ウリマダン」は今日まで安全に、大切に守られている。在日高齢者の学びと発信の場「ウリマダン」には、90代のハルモニ5人を含めて、毎週10人前後のメンバーが通ってきている。「みんなの家」が完成してからは、3階の川崎教会集会室をお借りして、共同学習者と素敵な時間を過ごしている。
そこには、差別と戦争の時代を生きたハルモニを中心に、場を共有する皆で、ハルモニたちの厳しかった生活史について学び、ハルモニたちの経験に基づく感じ方に教えられ、学校に行く機会のなかったハルモニたちが書く言葉・文字の力、描く絵の表現の豊かさなどを分かち合いながらの素敵な時間がある。

◆ 場所の関係上、今回は一部の作品を展示している。再開後、最初に取り組んだのは、みんなで人形(ペープサート)をつくり、人形劇団をつくり、人形劇を作るという試みだった。「自分の一番かがやいていた時期を人形にしよう」と人形を描き、「大きなカブ」の話をニンニクにかえて、トラヂ人形劇団「おおきなマヌル(にんにく)」として、ゆっくり時間をかけて、公演までこぎつけた。ボランティアもコロナを蹴散らせて参加してくれるようになり、ディサービスで披露した劇は、会場全体を笑顔いっぱいにした。せっかくだからとその活動内容を冊子にまとめた。(配布しています)


◆ 展示会会場に通じるガラス壁一面に、ハルモニたちの手になる大書で、長文の散文詩が貼ってある。これは、ハルモニたちが何より大切に思っているウリマダンへの想いを語り合い詩にまとめていったものだ。ここには、かけがえのないウリマダンの場を守り通したいというハルモニたちと共同学習者の熱意が満ち溢れている。

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◆ そして、会館1階に寄せ書きや絵や作文の一部を展示した。
季節の野菜や道端の草木を題材にしている。白菜は、描きながらのおいしそうという声に押されて、次週にはキムチにして食べ、楽しんだ。


コロナが少しおさまった合間に、久しぶりのお出かけで、山下へ行き、目にした見事な青空の印象を絵に描き、その気持ちを文章にした。
今年の新年は、干支のトラを描いた。朝鮮の民話によく出てくるトラは、なじみが深い。個性豊かなトラが並んだ。


3月末には車いすを連ねて多摩川べりにお花見にでかけた。その時の心弾む思いを寄せ書きした。
ハルモニが表現の手段として、絵を描くことに取り組んだのは、鈴木宏子さんのキミ子方式の絵との出会いと学びがある。「これなら、絵を描くことになじみのないハルモニたちと楽しく取り組めるのではないか」と、色づくりからのていねいな導入と取り組みの中で、今ではすっかり絵を描くことを楽しみにしているハルモニは、筆を握ることに大胆に取り組めるようになった。

展示会は今月いっぱい。お近くにお越しの折には、ぜひ、ご覧ください。(M)