放課後等ディサービス「ちぇりー」を閉室し、日中一時支援「そら」を充実します。

Pocket

障がいのある子どもたちの「放課後を地域で共に」の理想を、理想で終わらせないために。

青丘社では、障がいのある子どもたちが地域で共に生きることを大きな柱として取り組んできました。桜本保育園を卒園した子どもたちが、みんなで地域の学校に行けるよう歩みを進め、放課後も適切な生活支援を受けて地域の子どもたちとの育ちあいを保障する場つくりに関わってきました。

しかし、特に広域のスクールバスで送迎される特別支援学校の子どもたちの放課後保障には大きな課題を抱えたまま、地域に暮らす障がいのある子どもたちは、私たちの学童保育やふれあい館で共に過ごす関係づくりを継続させました。

2003年学校内で放課後児童健全育成事業「わくわくプラザ」が全校で開設されました。はじめて障がいのある子どもたちが、「障害」を理由に利用を制限されないことをうたった制度がスタートしました。しかし、実態はなかなか伴わず、重い障がいのある中高校生や、スクールバスで生活地域外に通う子どもたちの地域での放課後児童施設への移動の問題に手を付けられることなく、障がいのある子どもたちの放課後生活に課題を抱えたままでした。

2006年障がいのある中高校生の放課後を保障する川崎市タイムケアモデル事業が開始されました。この課題に向き合ってなんとか取り組みを維持してきた私たちは、この事業の担い手として参加し障がいのある子どもたちの放課後保障の充実に寄与できると考え、手を揚げ、事業委託をうけました。その後、モデル事業は、モデルのまま本格事業として実施されることなく、時間が経過し、それに代わる児童福祉法に基づく放課後等ディサービスが開始されました。そして、タイムケアモデル事業は終了整理されました。私たちは、そうした流れの中で、特別支援学級が桜本に分校が開校されることもあり、2013年放課後等ディサービスを開設し、重い障がいのある子どもたちの放課後保障の取り組みを進めました。その後、他事業者も参入し、たくさんの放課後等ディサービス事業が開設されるようになり、サービス提供量は拡大していきました。

それでも、私たちが当初から掲げた「地域で共に!」という想いを実践する拠点として放課後等ディサービスを考えると、違和感を感じるようになりました。「療育」の名のもとに場が作られていきましたが、必ずしも障がいのある子どもたちの地域社会でのノーマライゼーション、共に生きる場の拡大にはつながっていっていないのではないか。地域の子どもたちの放課後生活を支援する「わくわくプラザ」の場に障害のある子どもたちの利用促進が目指されてきたのか。放課後等ディサービスで就労が保障されていた保護者が、学校後の通所施設で利用後の夕方の保障が制度化されないため、仕事を辞めざるを得なくなる状況が放置されてきたのはなぜか。放課後等ディサービスをめぐって、さまざまな討議を進めてきました。

私たちは、放課後等ディサービスの事業を閉室し、在宅生活支援のしなやかな展開を充実させるために日中一時支援を充実することにしました。保育園から小学校、中学校、高校、就労期、地域で育つための支援をひとり一人の状況に合わせて取り組むための活動拠点として、新しい拠点を整備し、日中一時支援「そら」として充実して取り組みます。利用者のみなさんの不利益を引き起こさないよう個別対応を丁寧に行い、日中一時支援の枠組みの中で、生活空間としての地域を大切にした在宅支援のしなやかな展開をめざします。引き続き、みなさまのご理解とご支援をお願い申し上げます。(M)